感想温泉はてな亭

諸々、ふれたもの、こと、に関しての感想を記していきます。

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冬目景先生『時空建築幻視譚 マホロミ』3巻 小学館 感想。

丸一年ぶりの『マホロミ』新刊。
今回も建物を軸に進むお話がふたつ。
「漸の桜」と「彼女の名画座」。
どちらも登場人物の関係性がおもしろいのもさることながら、
建物と人の記憶のつながり……というか、
歴史? を感じさせてくれるところが興味深くて。
ちょっと古い建物を観るときの目線が変わってくるかも、
と、そんな感じがしたのでした。


では、お話の感想をば。

「漸の桜」

ちょっと孤立気味のお坊ちゃん石蕗くんと古い学生寮のお話。
社会勉強、の名のもとに古ぼけた学生寮に送り込まれる
石蕗くんでしたが、そこではもちろん、色々とありまして……。
寮生活って、大変さもあるのだろうけれど、
きっとそこでしか体験できない事、出会い、たくさんあるんだろうな、
というファンタジーが詰まっている、というか。
少しずつではあるけれど
寮に馴染み、表現の仕方が下手だけれど寮のために
色々とする姿は、なかなか良かったかな、と思います。
こういうことを素直にできないときって、あるよなぁ、と。


土神くんと真百合さんの影が薄かったのはアレですが、
最後の場面で全部取り返している感があるので、
それはヨシ、とする方向で(笑)。


真百合さんと卯が親しくなってきているのは、
少々気になるところではありますが……。

「彼女の名画座

土神くんバイト先の建築設計事務所の所長と名画座のお話。
なのですが、間に入った、
土神くんの祖父と真百合さんの過去の話がなんとも……
うーん、これどうなるんだろ? というものでして。


名画座の話は、寮の話じゃないですが、
そういう文化のあるところって憧れるなぁ、と。
私の育ったところって映画館もなければレンタルビデオ屋もなく、
ついぞ、映画を観る文化が私に根付かなかったんですよね……
これからどうとでもなる話かもですが。
身近に気軽に通える映画館があって、
色々な作品をみて、思い出が……って素敵だなぁ、と思いますし、
だからこそ、こういう作品が出来るのね、
などと感じた次第です。


ナカディーさんと所長の関係は、
今後も注目、ですね(笑)。

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