九井諒子先生『竜の学校は山の上 九井諒子作品集』イースト・プレス 感想。
- 作者: 九井諒子
- 出版社/メーカー: イースト・プレス
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収録作のどれも読みごたえがありまして、
お値段以上の価値がありそうな……読むまでは正直、
「ちょっと高いなー」などと思ったのですが(^^;)。
では、収録作品の感想を軽く。
■「帰郷」
勇者が魔王討伐を果たした後……後日談。
ふるさとに帰ったけれど、
どこか感じる違和感であったり、
幼馴染との微妙な距離感。
勇者、ではないけれど、
これに近い感じ、あるよなー、と思いました。
■「魔王」
締めが素晴らしく。
説話的なこういうお話、良いですね。
■「魔王城問題」
どこかしら『ダンジョン飯』にも通じるところがある、というか。
「魔王の城ってどうなるんだろ?」から、
「魔王を倒したあとの勇者ってどうしてるの?」まで。
魔王の城を扱う難しさから、
勇者の心の傷……しっかりと描かれています。
締めも秀逸、です。
■「支配」
こちらはSFちっくなお話。
人間の妙な魅力が際立っていて、
これもまた面白かったです。
■「代紺山の嫁探し」
日本の昔話寄りな。
世界観的に『俺の屍を越えてゆけ』に近いものを感じるのは
神様の姿もあるのかしら……。
ひとの欲だったり、打算的なところだったり、
それでいて綺麗なところだったり……
これまた素敵な作品です。
■「現代神話」
表紙に描かれているのはこの作品ですね。
猿人と馬人が共存する世界、のお話。
ものすごくわかりやすい形で特徴が描かれているだけで、
この話にある色々は、
日常のそこかしこにあるものよね……
読み進めるうち、色々と考えたことでした。
■「進学天使」
翼のある女の子。
翼の力を伸ばす留学ではなく、地元にのこりたい、
と言う彼女。
空を飛ぶ姿をみた彼がかけた言葉は
とても酷いように思えるけれども。
なんだか、とてもかなわないもの、
すごい可能性を見せられたとき、
私も同じようなこと、言ってしまったり、
態度をとってしまったりしそうだなぁ。
そんなことを思ったのでした。
笑い声は誰のものなのだろうなぁ……。
■「竜の学校は山の上」
表題作。
現代に竜がいたら……が、きっちり描かれています。
理想、現実、問題点。
竜を巡っての色々は読みごたえあり、です。
RPG的竜の知識があった方がより楽しめます。
■「くず」
これは(笑)。
読み進めるうち、これはあの話だよな?
というのは薄々でしたが。
私も頑張らなきゃなぁ……。