池田邦彦先生『グランドステーション〜上野駅鉄道公安室日常』2巻 講談社 感想。
グランドステーション~上野駅鉄道公安室日常~(2)<完> (モーニング KC)
- 作者: 池田邦彦
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2016/10/21
- メディア: コミック
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グランドステーション?上野駅鉄道公安室日常?(2) (モーニングコミックス)
- 作者: 池田邦彦
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2016/10/21
- メディア: Kindle版
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2巻で完結です。
もう少し、上野駅での様々なドラマを見たかったですね。
舞台は昭和40年代前半。
復興したとはいえ、
人々の記憶にはまだまだ戦争が残る、そんな時期。
北から、南から、東へ、西へ、と
数多の人が利用する上野駅での様々なドラマ。
時代の空気を濃く感じさせてくれるところはそのままに、
鉄道のダイヤや路線を駆使した人探しや、
ホロリとくるエピソード、緊迫感のあるお話もありまして、
読み応えがあった印象です。
特に最終巻というだけあり、
主人公の鉄道公安室・樋口の生い立ちも深めに描かれており。
戦後の厳しい時期を生きていくことの大変さ、であったり、
そこに溢れる人情もたっぷりと……。
職種的にも視点・視線が面白いところでしたので、
もっと色々なエピソードがあっても良かったのに、
というのは上にも書いた通りで。
また、私は特別、鉄道好きという訳ではありませんけれど、
描き込まれている鉄道関連の知識などは
とても興味深く読むことが出来。
池田邦彦先生の次回作にも、つい期待したくなる、
そんな作品になっているように思います。
わりと近くて遠い時代を描いた人情味にもあふれた作品。
秋の夜長に、結構ぴったりだったかもな、
などと読後に思いつつ……。