中村明日美子先生『曲がり角のボクら』白泉社 感想。

曲がり角のボクら (花とゆめCOMICSスペシャル)

中村明日美子先生の短編集。
学生さんあり、社会人あり、と、登場人物も多彩で。
設定もファンタジー風味があったり、
学園モノだったりとそちらも色々。
作品集、の魅力ですね。さらりと読めますし！


では、それぞれの短編の感想をば。

『阿部くんと黒羽さん』

先生と禁断の恋に落ちている阿部くん。
もちろん、先生とお付き合いしていることは
まわりには秘密……
だったのだけれど、ある日、黒羽さんは
先生と阿部くんが別れ話をしているところを見てしまって……。


阿部くんの恋心と、黒羽さんのアシストや
心境の変化が面白かったです。
特に、阿部くんかなぁ。
先生のことが好きなのだけれど、変わっていく関係性を
黒羽さんの助けを得ながら、それを受け入れていく。


つらいのだけれど、こういう恋って憧れるよね。
ラストも素敵！　青春、な感じで。

『となりの吸血鬼』

吸血鬼研究をしている坂本緋一郎先生のもとに、
海外からやってきた吸血鬼……
エディを名乗る彼は坂本先生についてまわって、
日常に色々、かかわってくるのですが。


終盤の展開が意外で。
やられたー！　という感じでした(笑)。
タイトルも、読み終えてから改めてみると
なるほど……です。
こういう作品も良いですね。

『みんなきらきら』

娘ちゃんをめぐる、
パパとカッコいい幼稚園の先生のバトル！！
というか、パパが勝手に意識している感じですが。


ほのぼの家族モノ、です。
ムスメちゃん溺愛なパパさんが微笑ましいです(笑)。
また、幼稚園の先生ね。
見た目にそぐわず、きっちり先生していて。
こういう先生に担当してもらったら、
きっと楽しいんだろうなー、などと。

『さくらふぶきに咲く背中』

幼稚園以来、ひさしぶりに出会った女子高生ふたり。
むかしの定かではない記憶を思い起こしつつドキドキするまりちゃん、
恋する乙女なヨウちゃん……。


これまた、ちょいと意外な展開で。
気持ちがどこに向かっているのかイメージしながら
読み進める訳なのですけれども、
途中、ハッとして読み返し、なるほどー、などと。


爽やかな百合？　でございました。

『曲がり角のボクら』

学祭で進展する恋。
男子ふたり、女子ふたりの関係、
想いが入り乱れて……。


勢いで動いてみたり、静かに遠くからみていたり……
懐かしい感じ？　でした。
気持ちだけですけど。
私は実際には動いたこと、なかったからなぁ。
だからこそ、こういう青春な恋愛もの、好きなのです。

『よろめきのボクら』

『曲がり角のボクら』後日談。
お互い、ちょっとしたコトに気づきだしたらもう、
おちてるんだと思いました。
自覚がなかったとしても。
そんな瞬間、素敵だなぁ。