渡辺ペコ先生『ペコセトラ』祥伝社 感想。
- 作者: 渡辺ペコ
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2010/02/08
- メディア: コミック
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なんとなく手をつけにくく今に至った、という。
積んでいるうちに、
3篇追加した『ペコセトラプラス』までリリースされてしまって。
- 作者: 渡辺ペコ
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2014/09/26
- メディア: 単行本
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収録作は、どれもこれも一癖ある感じで。
スッキリとした読後、というものは個人的にはなく。
ひっかかりのある作品、なんですよね。
それでは、それぞれの作品感想を。
■"ジャグリング"
タイトル的に男をとっかひっかえ、な、
見事なジャグリングかと思いきや全然違いました(^^;)。
コミカルな表現もあり、読みやすい作品で。
感情、気持ちって、こんな感じなのかもな、
と思いながら。
くるくるまわして、取りこぼして。
新しいボールが加わって。
■"わたしのおばさん"
子ども時分に憧れていたおばさんも
色々とあって……視点変われば、です。
私も年を重ね、従姪ができて。
こどものころに玩具をよく買ってきてくれた
親戚のおじさんの役目を私が継がねば、
なんて思ったりね。
確かにいろいろある訳ですが、
よくしてもらった思い出があったら、
なんとなく、自分も良い思い出を継いでいきたいな、
そんなことを日々思っていて。
そこにスッとはまった作品なのでした。
いや、大人のどろどろはあるんですけどね。
背景は色々あるのよ。
それでも、やさしくしたい、そういう時間を大切にしたい、
とは思って。
■"N浜温泉紀行"
非日常、のお話。
ちょっと一歩ひいて、
別の場所で日々を見直すのって大事なのかもな、と。
妙なテンションと、
そのあとのゾクリとくる感じ。
帰りに車窓から風景を眺める場面がなんとなく、好きです。
■"あに・いもうと"
ままならぬ、兄と妹の関係。
兄は東京からかえってきた出戻り。
妹は進学で東京を目指し。
なんだろうな。
10代おわりから20代前半、
可能性みたいなものを感じながらも、
ままならない自分にもやもやする感覚、というか。
ギュッと、そういうものが濃縮されている作品で。
地元と東京、というのも……ね。
■"台風クラブ"
青春、だなぁ。
わりとおばちゃんがカッコよくて。
登場シーンは最悪でしたが(^^;)。
別れのシーンのあとですぐ終わるのも
アリだったのかもだけれど、
そのあとの場面でより、余韻が増している感じで。
ちょいとコレは再読したら感じることも変わるかも。
■"透明少女"
親の再婚で義理の妹が……となると、
恋愛モノ? と短絡的にイメージしてしまったりもするのですが、
そんな単純な話にならないのが流石で。
インパクト強烈なゴスロリ少女の気持ちを
しっかり描いているのが良かったです。
単純に恋愛モノになっておらず、
相手に向き合う、受け入れる、そんな話で。
好感、でした。
■"たまゆら透明少女"
えぇえええ! という(笑)。
衝撃の告白……に驚き。
それでスッと受け入れる、というのもすごい……。
ゴスロリ女の子のその後。
理解者がいるのって素敵だなぁ、などと思った次第。
■"私の血肉になった本"
タイトルそのままで、絵本と本が紹介されていて。
そいえば小学生の頃とか、
図書室の子供向け全集で色々読んだ記憶が……
忘れてしまっている、というのが、
今の私につながっているのでしょうけど(笑)。
本や音楽との出会いって、ほんと大事ですよね。
今、マンガを沢山読んでいる訳ですが、
後々、コレが血肉に……と言える作品に
いっぱい出会えたら嬉しいなぁ、などと思うのでした。