感想温泉はてな亭

諸々、ふれたもの、こと、に関しての感想を記していきます。

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火村正紀先生『入院ノート』スクウェア・エニックス 感想。

最初はWebのニュースで知って。
まだWebに掲載されているときにいくつか、
載っていたお話を読んで。
ふと、Kindleのセールの中に入っていたのを見かけ、
ポチっておいたものを読みました。


自然体で、基本的には面白い切り口の入院生活記。
なのですが、病気への得体のしれない怖さ、だったり、
どことなく思っていたことと検査結果が異なったときの
なんとも言えないような不安だったり。
とても生々しい形で描かれていて。
絵としては、優しく、やわらかく。
まさに闘病する中で綴られたノート……なだけに、
息遣いが聞こえるような。
そんなかたちでまとまっている、そんな印象を受けました。


私の大叔父さんも、がんで亡くなったのですけれども。
思い出しつつ、読み進めました。
亡くなる2カ月前くらいに会ったときは
ひょうひょうとして、いつもの様子で。
ただ、「あれは人にあげた」「これはお前にやろう」
という感じで。
しばらくして体調を崩して自分で病院へ行って入院。
脳への転移がみつかって、という、なぁ。
……そのかなり前にがんセンターへの入院・治療もあって、
のことではありますけれど。
さいごの前に会えて良かったな、と、思っています。
あのときの話した時間は忘れないなぁ。
祖父が亡くなって、大泣きしてた私のアタマをわしゃわしゃしながら、
「そんなに泣くな、じいちゃんも悲しむべ」
と言われたのも、ずっとわすれないなぁ。


ちょっと、今は情けない感じの私ですけれども。
心配させないように、頑張らねばなぁ……無理しない程度にね?
などと……ちょいと大叔父さんやら、祖父のことを思い出した作品でした。


仕方のないところですが、
中断、のような終わり方がインパクト強くて……。
祖父は交通事故で亡くなったのですけれども、日記を日々、つけていて。
それも、空いた時間に天候、気温、畑の状況などを書き留めていて。
その日の記載もあって。
そこで途切れてしまう。
どうしても、祖父のことを思い出してしまって。


でも、そういうもの、なんですよね。
いきなり終わってしまう、そんなこともある訳だからなぁ。


生死に関わるもの、は、やはり色々心動かすものがあって。
読めば、何か感じるものがある作品であるのは間違いがないかな、
と思った次第です。

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